高血圧の体験

2022年6月23日
1.概要

 私は75歳の男性です。「高血圧の薬は一度飲むと止められない」と言われますが、必ずしもそうではなかったので、その体験をご報告します。 「高血圧ですよ」と言われたあなたが、この体験談を読んで何か参考になれば幸いです。今回の体験で、正常時(通常)の血圧値を知っておくことが重要であることを改めて感じました。


2.体験詳細

1) 4月10日
、義理の父が100歳で亡くなりました。その夜、たまたま血圧を測定したら、2回平均で132/72mmHg(収縮期/拡張期)でした。 以前はもっと低かったので、年とともに血圧が上昇してきたなと感じ、毎朝晩血圧を測定することにしました。 (4/11〜6/20 朝の血圧測定結果

 義父死亡に伴い、枕経、お通夜、葬式と忙しく、血圧は朝晩とも収縮期で150mmHgを超える日が続きました。 また、高血圧に加え、軽い吐き気、食欲不振、だるさ、ふらつき、掌がしめっぽく、指先がジンジンしました。この症状は日により、また時間帯で変わり、 映画に熱中したり近所を散歩したりすろと気がまぎれ、暫く(数時間)体調が改善することもありました。

2) 4月14日
、葬式も終われば血圧が下がるかと思っていましたが、全く下がらず体調も凄く悪くなったため、近所のクリニックを訪問しました。 その日は血液検査、尿検査を行い検査結果を待つことにしました。

3) 4月21日
、検査結果が判明、血圧関連のホルモンの数値が高いとのことで、ノルバスク5mgを処方され、その日から飲み始めました。 その後は朝の血圧は収縮期で140mmHg前後で推移していました。(4月23日、念のためエコー検査も受けましたが特に問題ありませんでした)


 4月11日〜6月16日 朝夕の血圧値合体グラフ

4) 5月8日
、ノルバスクを飲み始めて18日目頃より血圧が少しづつ上がり始めました。但し、特に体調に変化は感じませんでした。(上記グラフ右側上部の山)

5) 5月10日
、朝の血圧収縮期が150mmHgを超えたため、クリニックを訪問し、ノルバスクより降圧効果の高いザクラスHD(2種類の降圧剤を含む配合剤)を処方されました。 インターネットで調べると少し怖そうな薬なので切り替えに躊躇しました。(5月13日〜18日にかけて体調がすぐれませんでした)

6) 5月16日
、ノルバスクより思い切ってザクラスHDの服用に切り替えました。この薬の降圧効果は期待通り高く、飲んで5日目には朝の収縮期で135mmHgになりました。

7) 5月20日
、ザクラスを飲むと背中部分の筋肉痛の副作用(たぶん)が発生したため、服用5日間で同等効果のミカムロAP(配合剤)に変更してもらいました。



8) 5月27日
、ミカムロを飲み始めて1週間、朝の血圧で124/75mmHg、前日夕方の血圧で111/71mHgになりました。時々立ち眩みもするので血圧の下げすぎと思い配合剤でなく、 単体のミカルディス40mgに変更してもらいました。

9) 6月2日
、ミカルディスを飲み始めて1週間、朝の血圧が120/79mmHgまで下がりました。昼、夜については収縮期の血圧が100mmHg前後まで下がりました。薬の量は少ないに越したことはないので、翌日よりミカルディス40mgの半分(ピルカッターで錠剤を1/2に)を服用することにしました。



10) 6月10日
、ミカルディス半分を1週間続けても血圧の上昇が顕著でないことを確認し、思い切って完全に薬の服用を止めました。(6月9日夕方の血圧値108/72mmHg、6月10日朝の血圧値118/81mmHg)

11) 6月16日
、薬を止めると徐々に血圧が上昇し1週間後には朝の血圧132/85mmHgまで上昇しました。また、薬を止めて気になったのは拡張期の血圧が高いことです。例えば、6月12日、朝の血圧値122/88mmHgのように拡張期の血圧が高血圧基準85mmHgを越えています。

12) 6月23日
、薬を止めて14日目の朝の血圧は121/83mmHgまで下がりました。どうも6月16日の132/85mmHgが薬を止めた後のリバウンドの頂点であったと考えられます。



 薬を止めると、拡張期の血圧がほんの少し高いのが気になりますが、これは早朝のみで、お昼、夕方、夜の血圧測定では高くありません。



 その後も血圧は低く保たれいます。降圧剤の服用から抜けだすことができました。私の場合は、本能性高血圧ではなく、義父死亡に伴う自立神経か何かの みだれにより発生した二次高血圧であったのかもしれません。体調の悪さも徐々に回復し5月末までには完全に元に戻っていたように思います。



3.参考情報

下記情報は素人がインターネットで勉強しながら入手した情報なので参考レベルとご理解ください。

1) 服用した降圧剤の情報
 @ ノルバスク (別名アムロジピンベシル)5mg; カルシウム拮抗薬-- 血管の筋肉に対するカルシウムの働きを抑えることで、血管をひろげ血圧を下げる薬です。
 A ザクラスHD;アムロジピンベシル5mg + アジルサルタン20mgの配合剤
、アジルサルタンはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)-- 血圧を上げる作用のあるホルモン(アンジオテンシンII)を阻害することによって血圧を下げる薬です。
 B ミカムロAP;アムロジピンベシル5mg + テルミサルタン40mgの配合剤
、テルミサルタンはアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)
 C ミカルディス(別名テルミサルタン)40mg;アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)

2)ミカルディス血中濃度
 
 
 上記表よりミカルディス40mgの半減期は20時間+-12.1時間とのことで効果は1日継続するものと考えられます。連続投与14日目では濃度が約2倍になることが分かります。ミカルディス20mgの場合の血中濃度は1/2より若干少なくなることも分かります。また、投与を止めても薬の効果は数日、それなりに続くものと考えられます。

3)ミカルディス(別名テルミサルタン)40mgの降圧効果

   上記グラフより本剤の服用で収縮期の血圧値で12.6mmHg下がることが分かります。この効果を100%発揮するには8.3日継続して服用する必要があります。



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